眼窩の大部分は眼球に占められているが、眼球には外眼筋と呼ばれる
筋肉がついて眼窩の壁と眼球を結び、眼球の向きを変える運動を担っている。外眼筋は
上直筋、
下直筋、
内側直筋(内直筋)、
外側直筋(外直筋)、
上斜筋、
下斜筋の6つである。上斜筋は滑車神経、外側直筋は外転神経に支配され、ほかの上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋は動眼神経に支配される。
眼窩を形成する骨は下壁および内壁で極めて薄く、特に下壁は弱いため、
外傷によりしばしば眼窩骨折(英:orbital fractures、独:Orbitalfraktur)を生ずる。内壁の眼窩深部で骨折(視束管骨折)が生ずると視神経を圧迫し、高度の
視力障害を起こす。この視力障害を
浮腫によるものとする説もあるが、眼窩内壁を除去する減圧術が有効であることが多い。
また、それほど大きくない外力が鈍的に眼球に作用した場合に、
複視を生ずることがある。その複視においては多くの場合、眼窩下壁に破裂骨折もしくは亀裂骨折が生じており、これは
吹き抜け骨折 (眼窩下壁骨折、眼窩床骨折、眼窩底破裂骨折とも)と呼ばれるが、この骨折部に外眼筋や眼窩内容が嵌頓して
眼球運動障害を起こすものである。この結果として生じた場合の複視は上下方向であることが多い。吹き抜け骨折は一般に眼窩下壁(上顎洞上壁)の前下方にあたる最も薄い部分に生じたもののみをいうが、紙様板といわれる眼窩内壁に生じたものを含める場合もあり、下壁、内壁の両方に併発することもある。典型的な
症状としては、眼窩内容が上顎洞内に脱出し、眼球上転運動障害、眼球下垂、眼球内陥が起こる。これらの症状がなく、通常の
骨折のみの場合には
手術は不適応となる。