生物の個体数は一時的・地域的には増大したり減少したりを繰り返しているが、通常は周辺から個体の流入や流出が起きるために中長期的に見ればほぼ一定に保たれている。しかし物理的に孤立した島では生物の流入や流出が起きないために、より厳しい
競争が続いていると考えられる。この説は、島嶼部では利用可能な生息域や資源量が著しく制限されるため、生物が他の地域で見られるよりも
巨大化するかあるいは矮小化するという説である。
大型の動物の場合は、その中でも小さな個体の方が代謝量の減少や性成熟が早いなどの点で島嶼地域では生存と繁殖に有利である。そのため体格が縮小するような
選択圧が働くと考えられる。小さな動物では捕食者が少ないことで捕食圧が減り、捕食者の目を逃れるための小さな体を維持する必要がなくなる。そして一部の小型動物は中型動物のニッチへの適応放散が起きるなどが理由として考えられる。まれに、島嶼部では餌の量が少ないため大きく成長できないのだと説明されることがあるが、餌不足による生育不全とは異なる。
例えば、
ウランゲル島で発見された
マンモスは、他の地域のマンモスの推定体重が平均6トンなのに対して、2トンしかなかったと考えられ、しかも5000年という短期間で矮小化が起こったと推測される。ヒトについても、
インドネシアの
フローレス島で発見された
チンパンジー並みの体格しか持たない原人(
ホモ・フローレシエンシス、しばしばフローレス原人と呼ばれる)が島嶼化の影響によると考えられる。逆に、小型の動物では体格の巨大化が見られる。例えば
アカリスは、北米大陸のもので100g程度だが、オーストラリアで220g、マダガスカル島で230g、さらに小さな島では250gを超える物も見つかっている。フローレス島の
ネズミ(フローレスジャイアントネズミ
Papagomys armandvillei)は一般的な
ドブネズミの2倍の大きさである。ただし同じ島でも巨大化した動物と巨大化していない小型動物が共存していることがあり、大型動物と違って小型動物は常に島嶼化の影響を受けるわけではない。他にも
象、
カバ、
ボア、
シカ、
ヘビ等で観察されている。