このような人気作品が生まれたことにより、
少女小説というジャンルが確立されたといえよう。しかし、少女小説に対する文学的な評価は低く、少女趣味に偏った小説、女子どもの読み物、といった見方が強かった。そのため、吉屋信子は少女小説の第一人者とされたにもかかわらず、
1980年頃
フェミニズムの観点から再評価されるまでは、少女小説家としての一面は軽視され、戦後の
歴史小説などがもっぱら評価されていた。
川端康成や
吉川英治といった大家も少女小説を執筆しており、また挿絵も
川端龍子や
竹久夢二などの有名
画家が手掛けていたことも事実であるが、彼らの少女小説での仕事に言及されることは少なく、
日本近現代文学史の中の少女小説の位置づけは、いまだ定まっていない。