谷が
沈降してできた
入り江を、
溺れ谷(おぼれだに、drowned valley)という。もともと
海岸線に対して垂直方向に伸び、
河川により
浸食されてできた
開析谷が溺れ谷になり、それが連続して
鋸の歯のようにギザギザに連なっているような地形を
リアス式海岸という。海岸線に対して平行な開析谷が沈水した場合は、
ダルマチア式海岸と呼ばれる。海岸線に直角な隆伏の激しい地形が沈水するとリアス式海岸になり、さらに沈水が進むと
多島海になる。元々、これらの沈水は谷の周辺の沈降によって起きたと考えられていたが、
気候変動などの研究が進み、
最終氷期が終わったことによる世界的な
海水面の上昇によるものと考えられるようになった。
しかし、陸地は起伏が多く、急な傾斜の山地が海岸にまで迫ることもあり、平地が少ないため、陸路での移動は不便になりやすい。このため、長らく船以外に外部との交通手段がない「陸の孤島」となっていた所もある。
海岸線に対して垂直に開いているため、
津波が襲来した場合、湾口に較べて奥の方が狭くなっている入り江では、波高が通常よりも高くなって被害が大きくなる。そのため、津波を防ぐための高い
防潮堤を設けるなどの対策が取られている。また、湾内では一度押し寄せた津波が反射波となり対岸同士を繰り返し襲い、津波の永続時間が長いことも知られている。