ミトコンドリアは
卵子の
細胞質に約25万存在する。
精子鞭毛基部にもわずかに存在するが、精子が卵子の中に核DNAを渡したあと鞭毛ごと切り捨てられるなど、一般的に精子由来の物は
受精前後に何らかの形で排除される。そのためもともとの卵子の中にあったミトコンドリアのみが
細胞分裂後も引き継がれることになり、ミトコンドリアDNAは常に
母性遺伝すると考えられる。
父親から受け継いだという例も1例報告されている(Schwartz and Vissing, 2002)が、その
患者はミトコンドリア
酵素複合体の不足と重い
運動機能障害を抱えている。
ミトコンドリアはミトコンドリア核内で保管元となるDNAから遺伝情報を
mRNAに
転写した後、mRNAはミトコンドリアのリボソ-ムに移動し、アミノ酸の付いた
tRNAの3塩基がmRNAの
ヌクレオチドと相補的に結びつくことで、tRNAが運ぶアミノ酸の配列が決まり、目的のタンパク質を合成する。これら一連の
翻訳過程は細胞の遺伝子翻訳とほとんど同じであるが、共に20個のアミノ酸を規定する64個の組み合わせの内、7ヶ所に対応するアミノ酸が異なっている。