本種は、
四肢を持っていたころのクジラである。陸上で体を支えることが可能なしっかりとした四肢と
蹄(ひづめ)を持った
有蹄動物(偶蹄動物)であった。体の大きさは
オオカミに匹敵する。長い尾を持ち、全体的に見てイヌの遠い親戚のような外観を想像される。その特徴は水生よりむしろ陸生の条件を多分に具えていて、実際に多くの時間を陸の上で過ごしていたであろうと推測されている。しかし、クジラ類固有の、
距骨にある滑車状の構造および
内耳の
耳骨の際立った特徴や、
臼歯の尖端の配列など
形態学的特徴から、クジラ類に属し、その進化系統上の最初期の種であることが明らかになっている。パキケトゥスが後世のクジラ類の直接的祖先であるとの証明は困難であるが、このような動物、あるいは彼らの近縁種、もしくは同様の
適応進化を辿ったものの中に直接的祖先動物がいると考えられる。